多摩川の鯉が危ない!(2002/4/3)
3月30日、漁協からFAXが送られてきました。内容は[多摩川に大量の鯉がいるのは自然生態系に反しているので本来の姿に戻したい]と言う趣旨のシンポジュームが開催される、と言うものでした。多摩川の本来の姿がどのようなものか8年しか見ていない私にはよく判らないのですが、とにかく[多摩川には鯉が多すぎる。あれは自然じゃない。20-30年前の川がまだ汚れている頃に大量に放流した鯉がそのまま大きくなり、数も減らないでいるので、もっと自然な生態系の多摩川を戻していこう]と言うことのようです。現在多摩川には確かに大量の鯉がいます。その鯉を単純に数を少なくすることで多摩川に自然が戻るでしょうか?鯉の自然繁殖が危ぶまれている環境ホルモンの問題や、川鵜の過剰保護による小型魚種の激減、漁協の放流事業と川鵜問題のイタチゴッコ、河川の水量の少なさと無謀な治水工事による生態系の破壊など多くの問題が隠れています。それらの全ての問題を明確にして今後の多摩川の姿を考える事になれば納得できるのですが、一方的に[鯉の数を減らす]だけでは我慢できません。
昨年の11月、入間川でブルーギルやブラックバスを駆逐すると言う名目で大量の鯉が捕獲されたことがあります。鯉を捕獲したのは[以前より小物釣り師(ウグイ、オイカワ等)から、鯉が増えすぎて困っているという苦情があったため、この機会にこれに応じる形をとって少し間引いた]と言うことです。捕獲できたバスは15尾で、鯉は86尾すべて伊佐沼(川越市)に放流したそうです。鯉の数はどの程度が適正なのか私にはわかりませんが、単に駆除するだけでは何の問題解決にならないと思います。
それと同時に今回関戸橋に試験的にオープンしたニジマス釣り場も問題になっています。多摩川の生態系を保持する立場から外来種(ニジマスのこと)の放流に反対する声があるそうです。釣り人として非常に喜んでいる私にとって、こちらも無視する訳にいきません。多摩川のあの水温で夏を越せるかどうかも判らないニジマスにそれほど目くじらをたてる必要があるのでしょうか?しかもニジマスを[外来種]と言い切る人達の考え方が理解できません。日本に入ってきて100年以上、各地で養殖され放流されて定着し、スーパーでも売られているニジマスをまだ[外来種]として差別しているのです。ブラックバスやブルーギルと同じ感覚で[有害な外来種]と認識しているようにしか思えないのです。明治維新と共に入ってきた多くの帰化植物が日本に昔から存在していたように見られているのと同じで、ニジマスはもう外来種として差別しないで帰化魚種(こんな言葉あるかな?)と考えた方がいい位定着しているのではないでしょうか。そんなニジマスを遠くの管理釣り場に行かなくても手近なところで釣れる。これは単に釣り人のエゴでしょうか?(色々な問題を抱えてはいますが・・)
主催者から発表されているお知らせのチラシをPDFにしました。ダウンロードしてお読み下さい。そしてぜひシンポジュームに[釣り人]としてご参加いただきたいです。実際に[釣り人]の少ない場で[環境だ]、[自然だ]と一方的に事が進むのは我慢できません。「鯉が釣れなくなったらフナを釣れば?」と釣り人には我慢できないことを言う人も中にいるのですよ。 |
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