取り残された鯉達(2002/4/6)
4月6日、数日前に、以前多摩川でお会いした佐藤さんから[二子橋の橋桁の下に鯉が沢山取り残されている]と言う情報を頂いたのです。土曜日に、佐藤さんとお友達3人で鯉を救出するので手伝って欲しいと言うことでした。現場に着くと、全ての橋桁の根元に写真のような水たまりがありそれぞれの水溜まりには20-30尾の鯉が取り残されていました。佐藤さん達は救出作戦の真っ最中で、既に岸に近い溜まり2つ分の30数尾の鯉の移動は終わっていました。いつ頃ここに入ってきたのか、どうして取り残されたのかなど等お話をしましたが、彼等は午後には渓流に出掛ける予定なので全ての鯉を本流に戻すことは難しいしと言うことでした。そこで私の方から漁協に連絡して移動をお願いすることにしました。6日の朝、早速このエリアを管轄している川崎河川漁業協同組合の組合長の土井さんに電話で事情を説明すると「漁協として出来るだけ早く救出する」と言う嬉しいお返事を頂きました。しかし、組合長のお話では「次回に増水するとまた鯉は入り込むだろうから、国土交通省に市民の声としてこの水たまりを埋め立て鯉が入り込まないような方策を依頼して欲しい。我々が言っても[漁協は魚のことしか言わない]と相手にしてもらえないのです。」と言うことでした。国土交通省にこの件を電話で説明すると、環境課の石田さんが「すぐにどうにかすると言うことは言えません。とりあえず現場を見て検討します」と言うことでした。一人の声ではなかなか動いてくれないのはお役所のつねなので、皆さんからもお願いして欲しいのです。場所は二子新地と二子玉川の間で多摩川を渡る旧246の二子橋(MAPIONの地図の十字印の下のある流れはもうありません。昨年夏の大増水で流れが変わってしまいました)の川崎側の橋桁周りです。田園都市線の二子玉川に向かって左側(上流側)で電車の窓からすぐ下に見えるので、通勤に田園都市線をご利用の方は確認して下さい。多くの鯉が取り残されているはずです。既に漁協の方で救出してくれていると鯉は居なくなっていますが、このまま放置すると次回の増水するとまたは入り込んでくるはずです。取り残された鯉を見かけた時は川崎河川漁業協同組合(044-945-7143)に連絡して下さい。救出してくれます。「一刻も早く橋桁下を埋めて欲しい」と国土交通省京浜工事事務所環境課(045-503-4011)にお願いして頂ければ、多摩川の鯉が救われます。お願いします。
ご連絡いただいた佐藤さん、本当にありがとうございました。
4月17日、追加情報。
国土交通省京浜事務所環境課の石田さんから電話があり、上記の件は「今回は難しい」との返事でした。理由は、「危険性の緊急度合いが低い。それと、次回の増水でまた同じ状況になる確率が高く、自然とのイタチゴッコになるのでやらない。国土交通省としては自然の流れは極力変えないようにしている。これも自然の一部ですから。しかもこの状態はここ一箇所に限っていないので、やるとなると多くの場所をやらなくてはいけなくなるので」と言うことでした。このすり鉢状の水溜まりに子供が落ちて事故があっても、大量の鯉が夏の高水温で死んでも国土交通省の責任では無い、と言うことなんです。これからの季節、ここには多くの家族連れが訪れる場所なんです。皆さん気を付けて下さい。鯉がたくさん居るからと不用意に近づかない方がいいですよ。
そのくせ、数百メートル下流に中洲があり、絶滅危惧種の[コアジサシ]の営巣地になっているので一般人が立ち入らないように土手側の細い流れを掘削して簡単には中洲に渡れないようにしたそうです。3月末の増水で掘削現場は少し埋まり掛けているらしいのですが(流れの掘削はすぐに元に戻ります)。[コアジサシ]のためには掘削しても、人命の危険を含んだ水溜まりをそのままにしておくというのは何か違うのではないかと思います。行政とはそんな物なのでしょうか?
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