増水と風、それに濁りと低水温。しかも5尾のブレイク(2011/10/1)
10月1日、国交省のデータで台風15号の増水はほとんど治まっていると確認して、早朝からDエリアに出掛けた。現場の京王線鉄橋の下に着きタックルを準備しながら岸部に出ると、先着の餌釣り師が会釈してくれる。ロッドにラインを通しながら様子を見ていると直ぐにヒット。取り込みを眺めながらお話をし、寄って来たところで柄の長い彼のネットで掬って上げる。そして「濁りがまだありますね」「浅川は濁りが取れていたのに…」と彼は言う。「浅川の近くにお住まいですか?」「いいえ、仕事の関係でよく見ているので」との事。お話をしながら流れを見ると、増水はまだ少し治まりきっていなくて10cm程水位が高い。それどころか台風12号の時から続いている濁りが残っていて、透明度は30cm位しかない。その上風が強い。西からの風は対岸の斜め上流から吹きつけコンクリートの護岸前まで波立っている。中州への渡渉ポイントを見ると、前回よりは治まっているがまだ少し流れが速いように見える。とりあえず右岸の様子を見るため「下流へ行きます」と声を掛けて移動する。護岸前のブロックの間の様子を見ながら下流へ下るがコイの反応は出ない。前回反応のあった護岸の段差のところまで来てやっと反応が出た。しかし回遊してくる数が少ない。その上護岸際まで波立っているので、回遊してくるコイの姿が見つけにくい。やっと水中に黒い影が見つけても、ロッドを振った動きを察ししてかすぐに沈んでしまい、その行き先が読めない。そんな中でコイが気付く前に見つけて進行方向にフライを落として待っていても、フライの直前で見切ってしまう。幾度も失敗を重ね開始から30分後にやっとこの日の1尾目を釣り上げることができた。しかし後が続かない。回遊そのものが少ない上に回って来たコイはフライの直前で反転してしまう。[どうしてだろう。フライを覚えてしまうほど数を釣っているわけでもないのに。中州を回遊するコイに比べてひどく臆病だな〜]とその見切り振りに驚く。今までなら、岸から数メートルのところを回遊しているのが狙いだったのに、この日はそのコースを回遊する姿は全く見られない。唯一の回遊コースは護岸のすぐ前。風が対岸から吹きつけ水面の流下物は全て護岸際に吹き寄せられていて、それを狙って回遊する数少ないコイを探すしかない。護岸から50cmの幅をメインに下流を眺め反応を探す。少し離れた所での反応を見つけ[やって来る]と期待しながら待っていたがいっこうに回遊して来ない。[コイまで近過ぎるのかな?]と考えて少し上流に戻り反応の出たところと距離を置く。その為か反応したコイは素直に移動しフライに喰い付いてくれた。しかしロッドを立てた瞬間に水しぶきと一緒に外れてしまう。ラインを引いてみるとフライが付いていない。ブレイクだ。[どうして?]と悩みながら次を探すが反応は出ない。その内かなり下流で元気な反応が出る。回遊を待ってもやって来る可能性が低いのでこちらからキャストエリアに移動。しかし反応は消える。その下流にはブロックに引っ掛かった枯草が水面に浮いていて、そのすぐ横で反応が出た。次に頭が現れそうなところに狙いを定めてフライを落とすと、護岸側から飛びついてきた。「やった〜」と喜んで取り込むが、口の下側へのスレ掛かり。それでも何とか2尾目をゲット。以後同じ様に少し離れた所を中心に反応を探し直ぐにヒット。しかしこれも水しぶきと一緒にブレイク。その後同じ事を2度繰り返し3尾連続でブレイク。ブレイクした所に行って確認すると、岸際にブロックの頭がありコイはそのブロックのすぐ横でヒットし、ヒットと同時に底に向かって潜り、潜った瞬間にブロックを擦ってティペットが切れたのだろう。原因は判ったがそれを避ける方法が見つからない。なにしろ反応するのはそんなところばかりなのだから。しかも反応は下流に行くほど少なくなっていく。それ以上下流に行っても反応が期待出来ないので、流れが気になるが中州への渡渉ポイントまで戻り、岸近くに設置されたブロックを足で探りながら流れに入る。流れは水量が少し多く以前より10cm程深い。それでも何とか渡渉して中州に辿り着く。中州の左右どちら側を下るか考えたが、左側は中州に向かう風のために下流に流しにくいので右側を下る。中州は2度の導水で生えていた草のほとんどが流され、残った草も全て下流に向かって倒れて枯れている。そんな中州を途中まで一気に進み草が深くなったところで水辺にでる。目の前は中州で風が遮られ波の少ない水面が広がっている。追い風に載せてサーチして見たが反応は出ない。そのまま中州の先端まで行くが反応はない。左の流れを見ると前回まで無かったところに砂利の中州が伸びている。その先端に行けば少し反応があるかな?と期待して行ってみたが、何も出ない。「この濁りと風ではどこも同じか」とガッカリしながら中州を渡渉ポイントに向かって戻る途中、中州の中のぬかるみにタヌキの新しい足跡を発見。「こいつら、あの増水の時どこに避難したのだろう。中州は完全に水没したはずなのに」等と考えながら左岸に戻る。流れの状態からどこに行っても同じなので、少しは反応のあった護岸前の様子をもう一度見る。先に反応のあった引っ掛かった草の周辺でやっと1尾ヒットし、今度はブロック帯をかわして沖に出たので安心していたら、途中で外れてしまう。同じポイントでやっと次がヒットし3尾目をゲット。2尾目から5時間後だった。反応は単発で、しかもフライの直前で反転の連続。護岸前での釣果がそれ以上期待できないので、上流部に行こうかと考えてみたが、普段より速い流れで、上流の斜め護岸際の反応は期待できないので下流部の様子を見て切り上げることにする。下流部にもブロックが幾つも岸際に頭を出しているところがあり、そこで1尾ヒットしたがまたもブロックでブレイク。結局9尾ヒットしたが5尾をブロックでブレイクし、1尾途中でバラシて3尾の釣果。風と濁りが悔しい。 |