速い流れの向こう側でマルタの水しぶき(2012/3/17)
3月17日、二週連続で小雨の降る土曜日、登戸のEエリアに。開始のポイントは前回と同じ水道橋上流の湧水エリアへ。高い護岸の上からワンドを眺めるといくつもコイが水面に浮いて回遊している。「居る居る」と喜んで上流の河原に降りる道へ向かう。産卵ポイントの細い流れを眺めながらタックルの準備を始める。しかし水中を移動しているコイの姿は見えるのだが全く水面に反応しない。上流側に回り込んで様子を見ていると、群れは10尾ほどで左岸の岸際を素早く移動しているだけで水面には全く反応していない。下流の流れ出し横で少し水しぶきが上がって産卵行動らしいのが見えたが、すぐに治まってしまう。冷たい西風で水面から微かに湯気が立ち上っている。どこかで反応するのではないかと暫く眺めていたが、全く反応が出ないので下流に下る。前回、元気な反応がいくつもあった所も数が少なく、数尾居たがすぐに下流に移動してしまう。そんな流れの様子を見ていると、直ぐ下流で合流しているワンドから、水面に反応しながらやって来るのが見えた。「居た〜」と喜んで進路にフライを落として送り込む。先頭の1尾は一度フライに反応してすぐにUターンしてしまう。しかし、2〜3尾が同じコースを辿りながらやって来るのが見えた。焦らないように注意しながらコイの進路にフライを落とし、全てのラインを流れに載せて送り込む。コイの進路とフライは30cm程離れていたが、フライを見つけると急に向きを変えて飛びついてきた。開始から40分後の1尾目をゲット。取り込んでいる時、流れには数尾居たのだがリリースする時には全て消えている。流れを渡ってワンドとの合流に行くと、流れ込みの先に黒い影が、まるで養殖池のニジマスのように塊になって水面近くに浮いている。しかしその群れの中にフライを落としても、喰い気があるかどうか判らないから、流れ込みからサーチして喰い気を確認する。しかしどれも全く反応しない。そればかりか、こちらの微かな動きを感知したようで、数が少なくなっていく。そんな群れの中に1尾だけ反応するのが見えた。その前方にフライを落として移動を待つと、すぐにフライに向かって来たがフライの手前20cm程の所で急反転。明らかにフライを見切った動きで広い下流に消えて行った。こうなったら下流からの回遊を待つ持久戦しかない。ワンドに張り出した砂地の先端から、右岸沿いに回遊してくる姿を探す。水面の微かな変化を見逃さないように注意しながら辺りをキョロキョロ見回す。その内岸から少し離れた所の水面に変化が出る。注意して眺めていると、黒い影がゆっくり岸に向かって移動している。その進路の前方にロールキャストでフライを落として待つ。影はゆっくりフライに近付き水面に頭が現れ口が開く。フライが口の中に消えたのを確認してから大きく合わせる。沖に向かって走るのをじっと我慢でしのいでから寄せに入る。これを1時間に4度繰り返して4尾ゲットで最後は77cm(7.2kg)の立派なオス。しかしそれで回遊は消えてしまう。上流の産卵ポイントは期待できないので、新しいポイントの様子を見る事にする。ポイントは下流に見えるコンクリートの護岸帯。いつも何人かの釣り人が竿を出しているところだが、雨なので人影が見えない。岸沿いの竹藪の中の踏み分け道を下流に移動。コンクリート護岸と水面までは少し距離があり、ここで掛けると取り込みが大変だなと思いながらコイを探す。少しずつ下流に移動しながら水面から頭を出している波消ブロックの前を探していたが、足元でコイの摂餌音が聞こえた。足元を見ると、垂直の護岸の水辺が少し窪んでいてそこにに頭を突っ込んでいるコイの姿が見えた。「わっ、こんな所に」と驚く。足元にフライを落としてみたが全く反応せず、静かに沈んで行った。護岸沿いに来ているのが判ったので、それからはブロックと護岸の間を集中的に探す。ブロックと護岸の間には流れてきたゴミが引っ掛かり、その近くにコイの頭が浮き沈みしている。その頭の近くに静かにフライを落として移動するのを待つ。すぐに喰い付いてくれたが、すぐ横にあるブロックの下に入り込まれるとブレイクするので、少し強めに引きながらブロックの上を誘導して沖に向かわせる。取り込みは護岸に座り込んでネットを差し出す。最初の獲物は取り込みに苦労したが、後は護岸が少し低くなっていたので楽に取り込めた。結局、多摩水道橋の下を過ぎ、係留されている船の前まで移動して3尾追加できてここまでの合計9尾。期待以上の釣果に気分良く次のポイントの堰の下流へ移動。堰からの流れは平水で濁りも無い。石組み護岸の水辺を下りながら流れの様子を見ると、下水の出口上流で元気な反応が幾つも出る。このポイントに初めて来た時と同じ流れの中での反応でやたらに元気がいい。流れに載せて送り込んで10尾目をゲット。その後、下水の出口前で2尾追加。この下水前の対岸には小さな中州があり、その周辺はマルタの産卵場所になりそうな流れが在る。前回は水位が高くて反応は見られなかったが、今回は落ち着いているので産卵の水しぶきを探す。暫く眺めていると小さな中州のすぐ前で水しぶきが上がった。右岸からは途中に速い流れが在り、距離的にはキャストできそうだが、フライがすぐに流れ出してしまうので難しそうだった。[あれを釣るには左岸から渡渉するしかないな]と考えながら下流に下る。石組み護岸前にある速い流れのエリアを急ぎ足で通過して、緩い流れポイントに来ると、最近余りお目に掛かっていなかった[護岸前での反応]が出た。数尾が何度も水面に現れて反応する。合わせ損なったり、途中で外れたりしながら日没までの短い時間で2尾追加。もう少し早くここに来ていたらもっと釣れたのにと思うとちょっと悔しいが、上流でも期待以上の釣果があったので納得。マルタの反応も見えたので明日は二子でマルタ狙いだ。小雨の降る日は、水位は上がらず人出が少ないので楽しい釣りができますね(笑) |