強い風が吹き抜けて反応が見えない
(2012/12/9)
12月9日、前日と同じ冷たい強い北西の風が吹く中、二子に出漁。いつもの様に兵庫橋上に着きポイントに向かっていると上流からフライマンがやって来て「こんにちは」と声を掛けてくる。「コイですかオイカワですか?」と聞くと「ヤマベです」の答え。「水温が低いけど釣れました?」「釣れますがフライがちょっと大きくて。大きいのと釣りたいけれど釣れない」と言う。しばらくお話をした後いつものポイントに入ると、水の透明度はいい。しかし風が強く一面に波立っていて波の低いところが見当たらない。それでもお気に入りの[虎の門]の中は波がない。その水面を眺めていると陽の射す明るいところを黒い影が横切る。よく見ると数尾のコイが狭いエリアをウロウロしている。そこは[虎の門]の奥で一番フライを落としづらい場所。倒竹が左右と上空にあり、しかも手前は流れが在って上手く落ちてもすぐにドラッグが掛かってしまう。しかも上流から強い風でラインは流れよりも速く動いてしまう。そんな狭いポイントに向かってキャストしてみるが、上手く入らない。手前の倒竹や上の倒竹にフライを引っ掛けながらもしつこくキャストを繰り返す。時折奥で水面に反応するので急いでそれに向かってキャストするとそんな時に限って引っ掛けてしまい反応の近くにフライが落ちない。そんな時、手前に垂れ下がっている倒竹の向こう側で反応が出た。多分下流から回遊して来た奴だと思うが、水面に頭が出た。[あそこに居るならここで待っていれば]と狙いを定めてキャストするとフライはうまく反応の上流に着水。水面下で動くコイの姿が微かに見え、ゆっくり上流に向かっている。[早く来い]とドラッグが掛かり始める前に喰い付いてくれるのを期待して待つとすぐに頭が水面に出た。フライが口に入るのを確認して合わせると、ガッチリヒット。自分では開始早々にヒットしたと思っていたがリリース時に時計を見ると開始から20分も経っていた。それにしても早い1尾目に釣果ゼロの恐怖から脱出した喜びが沸いてくる。とりあえず1尾に落ち着いて次を狙う。ポイントのコイは同じ様に[虎の門]の奥をうろついているのでしつこくキャストを繰り返す。時折奥から出てきて少し手前をうろつくので急いでその上流に落として見るが、黒い影はフライの下を通過するばかりで反応してくれない。[コイが水面に反応している]と[釣れないわけがない]と言う思い込みがあり釣れるまで粘ってしまう。しかし幾ら粘ってみても奥から出てきたコイは水面に反応しない。[もっとほかに元気な奴は居ないか?]と辺りをキョロキョロ見回すが何処にも反応は出ない。波の無い下流の様子を見に行ったが、回遊自体が少ない。唯一回遊していたのは最下流部の倒竹の向こう側。そこにフライを送り込もうと流してみるが、手前の流れに引っぱられて奥に流れて行かない。やっと手前にやってきたのを見つけてフライを流してみるが、フライの下を通過して行くだけ。下流部を諦め上流の流れ込みに行く。左岸の巻き返しの様子を見たが反応が出ない。だったら沈めてみようとインディケーターを付けて暫く粘っていると、突然水面に2尾が反応した。急いでインディケーターを外しフライを取り替えて反応の出たところにキャスト。巻き返しの真ん中に出た反応を見ている時、落としたフライに波紋が広がった。反射的にロッドを立てるとヒット。2時間経ってやっと2尾目。しかしもう1尾は移動したらしく反応しない。ここを切りあげ本流へ移動。二子橋上流で波の広がる水面を眺めると、波間にコイの頭が見えた。ゆっくり下流に向かっていたが移動すると脅してしまいそうなのですぐ近くに落として気付くのを待ったが反応ナシ。次に橋桁の裏側に行こうと思ったが対岸から外人さんが橋桁裏に投げ込んでいるので二子橋の下流に移動。下流は左岸前に波の無い水面が広がりポツポツ反応が出た。左岸は巻き返しが広がっているので巻き返しの端の流芯との境に落として下流に送り込んで見るが、右岸からの風でラインは左岸に流され下流に流れて行かない。落とす筋を変えながら40ヤード以上ラインを送り出した時、目の前に元気な反応が出た。長く出ていたラインを急いで手繰り、やっとフライが反応の所まで戻って来たが、反応は消えてしまう。その後、反応はかなり下流に出るがフライはなかなかそこに流れて行かない。こうなったらこちらから行くしかないと下流に向かうが、反応の出たところ近くまで来ると反応は消えてしまう。そこから下流は波があり釣り難そうなので、久しぶりに兵庫橋の下流に行って見る。二子橋下から流れに入り眺めると波もなく、2尾の反応が出た。流れ込みからフライを送り込んで見るが反応はかなり下流。30ヤード近くまでフライを送り込んで待っていると、10ヤードほどの所で反応が出た。[またか!]と思いながら急いでラインを手繰り反応の手前から流し始めると、すぐに横から飛び出してきた。[今度はやった]と気分良く3尾目をゲット。しかし後が続かない。再び本流の二子橋下流に行って見るが反応は出ない。対岸を見ると橋桁裏の外人さんの姿が見えなくなっているので、上流側から橋桁下に上がり裏側に行く。しかし風が強くなり一面に波が走り反応は出ない。反応が無いので左岸に戻る途中、ひょっとしてと橋桁の横を覗いてみると1尾だが反応があった。しかし反応は下流に移動して消えてしまう。日没直前に反応の出る兵庫島横の出っ張り前に行って見る。少し期待しながら静に様子を来ていると、水面に微かに口を出す掃除機ライズが見えた。水面に大きく口の出るライズではないので、フライは目の前にないと吸い込んでくれないが、目の前に落とすと驚いてしまう。そこに送り込もうとしても流れのない巻き返しの真ん中なので流れて行かない。少し離れた所に幾度も落として見たが変化無し。そのうち反応は消えてしまい日没終了。風が冷たく水温も10度と低く厳しい1日だった。風さえなければもう少し… |