風が強く寒くて、釣果ゼロを覚悟したが…
(2013/3/3)
3月3日、前日の強い風が残り、気温も低いのを心配しながら二子に向かう。いつもの兵庫橋に着いてみると顔馴染みのバードウォッチャーがお気に入りポイントの前に陣取っている。「3月なのに寒いね―」と声を掛けて流れ込みに移動。最近はここで[とりあえずの1尾]をゲットしてから本流巡りを始めるので、気楽に流れに入る。しかしいざキャストしようとした時、ポイントに集まっているゴミと枯草が気になった。巻き返しに広がっていて、フライが引っ掛からない位置にキャストすると、狙っているポイントから棚の分だけ手前にずれてしまう。その為か、前夜からの冷え込みで水温が10度しかないためか、全く当たりが出ない。落とし位置を色々変えて、棚も変えながら様子を見るがインディケーターはピクリとも動かない。[とりあえずの1尾]を目論んでいたからそのショックは大きい。下流を眺めると、岸際で反応しているのが見える。しかしそこに出る反応は気まぐれで回遊する筋が読めていないから、狙う気にならない。しかし期待していたポイントで当たりが無い以上少しの可能性にかけてそちらを狙ってみる。下流に移動し対岸の反応を探すが、上流で見つけた位置に出てくれない。やっと反応が出たので、その移動を予測してキャストするが、狙いのところに来ないで下流に戻ってしまう。幾つか反応は出るが、移動位置を読み切れず1時間以上釣果無し。そこから下流も反応が見えないので、前回反応の在ったゴム堰堤下流に行って見る。岸際を歩くと近くに居るのを脅してしまうので、岸から離れて移動し上流から流れに降りる。様子を見ると数尾の群れが時々水面に反応しながら回遊している。その移動先を予測してフライを送り込んでいくが、流れが遅く移動速度を追いきれずフライが到着するのは通過した後。下流の新二子橋下辺りでも反応するので、そこに向かって送り込んでいると、すぐ目の前で反応が出る。慌ててラインを手繰り、水面に見える引き波の前方に落としてみるが、引き波はフライの下を通過してしまう。あっちだ、こっちだ、とキャストを繰り返すがフライに興味を示さない。そんな中、群れの中に1尾だけ水面に元気に反応するのが居るのを見つける。[多分あそこに居る奴が]と思えるのを見つけ、その前方にフライを落とすとすぐに大きな口が水面に現れ、フライが口に入った。[やった]と大きく合わせたが、フライはそのまま帰ってきてしまう。その後も幾度かフライへの反応はあったが直前で見切ってしまいヒットしない。最後は移動速度も早くなり、引き波がフライの下を通過するだけ。ここでも1時間以上粘ってみたが空振りに終わり本流へ移動。しかし本流は下流からの風が強く一面に波立ち水面への反応が見えない。兵庫島横の出っ張り裏を二つ覗いた後橋桁下に移動。いつもの様に橋桁裏に向かう前に右の小さな巻き返しを覗く。流れ込みから流したサーチに、水中からゆっくり浮かんできてパンに食い付きそのまま潜っていくのを見つける。しばらく水面を眺め、どこかに出てこないか様子を見たが姿が見えないので諦めて橋桁裏に行く。様子を見ると左の流れの先で反応が出たが、フライを流しても反応しない。下流を見ると左岸前に幾つか反応が出ているので[ここを切り上げて左岸に戻ろう]と下流狙いの大き目Chabbyに交換し、流れを渡渉する前に[そうだ、ちょっと様子を見て行こう]と先程の反応の在った巻き返しに行ってみる。橋桁の台の横から流れにフライを落とし巻き返しに向かって流し始めると、水中から黒い頭がゆっくり浮いてきた。見ているとフライに向かって口を開けそのまま吸い込んでくれた。[オッ!]と喜ぶと同時にフライが口に入るのを確認して小さくロッドを立てる。いつも喜びすぎて合わせ切れをしているが、今回は何故かそれが無く落ち着いて合わせることが出来た。コイは速い流れに入り込んでしまったので、橋桁横を回り込んで下流へ誘導。橋桁裏の巻き返しで慎重にやり取りをして取り込む。何しろその時間まで釣果無しでそれからも釣れる可能性は低いので、何とか取り込む事ができた1尾は貴重だ。狭い橋桁下で記録撮影をして体重測定後リリース。サイズは74cm(6.4kg)と驚くほどの大型ではなかったが貴重な1尾が満足なサイズ。1尾取り込めたので気分良く左岸に戻り下流へ移動。反応はポツポツ在りもう1尾の期待が膨らむ。左岸で反応を探していると、岸から少し離れた位置に出た。急いでラインを引き出しその反応に向かってキャストすると、上手く上流に落とせたのでラインを送り込みながら反応を待つと、口がフライに向かって出てきた。[そのまま喰い付け!]と思った瞬間、フライにドラッグが掛かり動きが止まってしまう。吸い込もうとしているコイの口の動きが見えるのにフライは口に入っていかない。すぐにコイは諦めて流れに潜ってしまう。岸からのキャストはドラッグが掛かると判っているのに、突然の反応にそれを忘れてキャストしてしまった自分が情けない。その後、下流に見つけた反応には、流れに入り反応と同じ筋からフライを送り込む。反応の在ったポイントに辿り着いたフライにコイは期待通り反応してくれたが、直前で見切ってしまう。次の反応にも同じ様に送り込むところまでは良かったが、水しぶきと同時のヒットは掛かりが浅かったのか手元に僅かな感触を残して外れてしまう。その内霧雨が降り始め、気温も低くなり風が冷たい。それでもどこかで反応してくれることを願いながら、上流の出っ張りに戻って見る。最初の出っ張りは反応が出ない。諦めて次の出っ張りへ。巻き返しの始まるところから出っ張り裏への流れにラインを落とし反応を待つが、やはり出て来ない。しかしすぐ横の巻き返しの向こう側に反応が出たが単発で1回出ただけで後が続かない。もう一度二子橋下流の様子を見に行こうかと下が、冷たい霧雨の中水面が波立っているのを見て気力がなくなりいつもより早いが切り上げる。この状況での1尾は貴重だった。 |