来ましたよ〜、今年のマルタシーズンが開幕です
(2013/3/17)
3月17日、家近くの桜がポツポツ咲いているのを眺めながら二子に向かう。そろそろマルタの季節だがらと、週半ばにフライやタックルの小物を準備して置いた。マルタの様子を見る事も考えての出漁だ。とりあえずのポイントは兵庫橋上。到着してポイントを見ると相変わらずバードウォッチャーのカメラがある。それを横目に流れ込みへ。先週対岸の竹の茂みの下に集まっていたゴミは消えていたので安心してポイント前に行き水面の反応を探している時、携帯が鳴った。藤澤さんで「年券を受け取りに行きます。マルタが釣れだしたので。着いたら電話します」と言う。電話を終えて改めてポイントを眺めると、竹の前に枯れたクズの茎が垂れ下がっているのが気になる。[フライを引っ掛けて引っぱっても取れそうにないしな〜]と、インディケーターを取り付けながら考えていると、目の前のブロックの間に吹き寄せられたゴミから、小さな波紋が広がった。よく見るとゴミの中に数尾の頭が見え隠れしている。[居た〜]と喜び急いでフライを水面用に取り替える。下流からの風に悩まされながらキャストを続けるが、かなかなブロックの間にフライが落ちない。やっと落ちたと思っても手前の流れですぐにドラッグが掛かってしまう。見ているとコイは時々ブロックの間から手前の流れに廻ってくる。[それならば]と手前のブロックの下流の巻き返しに落として見る。そこはブロックの間よりもドラッグの掛かるのが遅く、少し長い時間待つ事ができる。しかし回遊するコイが居なければどうすることもできないが、運良く1尾がブロックの間から出てきて水面近くをうろつき始めた。動き出したフライをブロックの裏に落とすと、それを見つけたコイが浮いてきた。口が開きフライに向かって来るのを見てドキドキしながら待つと、そのまま口の中にフライが吸い込まれた。ここ兵庫橋上では久しぶりの水面での釣果。しかしブロック前への回遊は消えてしまう。そうなると沈めるしかないと、インディケーターを付けて下流の巻き返しにキャスト。しかし上から垂れ下がった蔓が邪魔で一番落としたいところに入らない。それどころか垂れ下がった蔓に引っ掛けてしまう。引っぱるとティペットが切れそうだし、次回からの事を考えて対岸に渡って邪魔者を撤去する事にする。引っ掛かったままのロッドを持って対岸に渡りブロックの端からフライを外し、垂れ下がっている邪魔な蔓や枯れた竹を順に撤去。元に戻って様子を見ていると親子連れのお母さんが来て「何が釣れるのですか?」と聞いてくる。話をしていると、本流で釣れている魚の名前を知りたいらしい。詳しく聞いてみるとそれはマルタのことらしい。「釣れてました?」「ええ、幾つも」という事なので急いで本流へ同。新二子橋下から眺めると下流のブロックの上にフライマンが一人。そしてその下流には、あの待ちに待った水しぶきが上がっている。[やった、来てるぞ]と喜んでフライマンのすぐ横に行く。水しぶきはブロックの先の流れの筋を中心に裏側の巻き返しまで、マルタ特有のオレンジ色の模様も時々見える。フライマンはブロックの先から下流を狙っているので、急いでタックルをマルタ用に切り替えてブロック裏の巻き返しを狙ってキャスト。しかし流れが緩く下流に流れて行かない。少し立ち位置を下流に移動して巻き返しの下流を狙う。一度スレ掛かりでヒットしたが外れてしまう。その時「今兵庫橋のところです」と藤澤さんから電話が掛かる。「目の前に居るよ、マルタ」と答えてキャストを続ける。藤澤さんが到着してすぐに1尾ヒット。取り込みにちょっと失敗してモタモタしていると「藤田さんめずらしくびびってます」と言いながら動画を撮影してくれる。何とか取り込んで陸に上がると、通行人が「それは何ですか?」「マルタウグイです。春に東京湾から産卵に上がってくるんですよ」と話ながら記録撮影。「マルタは納得しましたか?」「いいですよ、どうぞ」と藤澤さんにロッドを渡す。「そうそう、忘れないうちに年券を」というので「バイクに載せてるから待ってて」と言って年券をとりに行く。戻って見ると「3尾掛けたけれどスレみたいで外れた」と。改めて藤澤さんの様子を見ると、バイク用の繋ぎで腰にはヘルメットがぶら下がっている。「この靴は滑りやすいんですよ」と足元のブーツを指差す。異様な姿でロッドを振り、久しぶりの釣りの感触を堪能し「今週末に来ます」と言って帰って行く。その後、目の前に出ていた水しぶきは少なくなり、代わりにマルタの卵を狙って集まって居るコイの背鰭が頻繁に現れるようになり、時には水面に尾鰭が揺れるテーリングも始まる。マルタは沖の一番流れの速い筋に出ていて、そこは上流のフライマンが狙っている。少し手前の流して2尾目をヒットしてから当たりが少なくなるが代わりにコイがヒットする。下流に走って行き、そこにいたルアーマンが手振りでコイと言う事を教えてくれる。ヒット直後の引きからコイと言う事は判っていたから、頷いて答え取り込みに入るが途中で外れてしまう。手振りで「スレ?口?」と聞くと「口」の答え。その後コイを2尾掛け一尾は外れもう1尾はブレイクで逃げられてしまう。そんな時対岸を上流からいないなさんが下って来る。流れを覗き込みながらマルタを探している。その内「そこ?」という感じでポイントを指差しこちらを向く。「そう」と頷いて答える。マルタの反応は少しずつ少なくなっていくが、コイが釣れそうなので暫く粘ってみたがコイも掛からなくなってしまう。[下流側からキャストしてみようかな?]と歩き始めた時、右足が地面に引っ掛かった。見るとウェーダーのソールが剥がれ、口を開けてパクパクしている。歩き難いので[何かが釣れるまで]と同じ所で頑張ってが、反応と気力ががどんどん消えて行く。[今日はコイもマルタも釣れたから]と、水の抜かれたひょうたん池を眺めながら終了にする。これからしばらくはマルタ狂想曲が流れそうだ。 |