ドライで鱒を釣る
ドライで鱒を釣る
メンテフリーで確実に浮くフライ
 
ライン
裏浮きの[特徴]を紹介
裏浮きフライの使い方
オリジナルフローターの作り方
裏浮きフライでのパターン集
裏浮きフライでの釣果写真集
裏浮きパターンのタイイング
裏浮きフライについてのトピックス
ライン
マスに見えない主面の上
フィッシュウインドウフィッシュウインドウと言う言葉はもう知ってますね?水中の魚が水面を見たとき、水と空気の屈折率の違いで水面上は円い窓状になった部分しか見えないのです。その範囲を避ければ魚に気付かれずに近づくことが出来る。と言うことはその範囲の外側の水面上に浮いているフライも魚には見えないことになる(一部が水中に沈んだり、表面張力による僅かな水面の変化を覗けば)。つまり、水面上のフライは魚のフィッシュウインドウの中に入って初めて見つけてもらえる。しかも頭の上。当然魚は真上に向かって飛びつくことになり、激しい水しぶきを上げて空中に飛び出すことになる。出来るだけ早くフライを認識させるためには、このフィッシュウインドウの影響を受けないところにフライを位置させることが一番いいはずだ。水中を回遊する全ての魚に出来るだけ早くフライを発見してもうためにも。

表と裏の差上から見ると
皆さんが考えているドライフライは[水面上(表)に浮く]と言うことだと思うのですが、本当に水面上に浮く事が一番いいのでしょうか?水面上にポッカリ浮いたフライは確かに釣り人に見易いですね。でも、それが本当に魚にとっても見易い位置なのでしょうか?水面上に浮いているフライは魚がその真下まで来ないと見つけてもらえない。もっと遠くから魚に見つけてもらえる素晴らしい場所があります。それは水中です。「水中?」と聞いて驚かれる方もいると思いますが、普通に考える水中ではないんです。それは水面のすぐ[裏]なのです。水面に限りなく近い水中。フィッシュウインドウの影響を受けず、回遊中の全ての魚に見つけてもらえ、前方移動でゆったり食いつける場所。しかも水面での魚の反応が水面上のフライと同じように直接確認できる場所。少し沈みかけたドライフライに突然食い付いてきた、と言う経験はどなたにもあると思います。この[水面の裏]をもっと積極的に攻めてみませんか?

最初は確実に沈める横から見ると
このフライは[水面の裏]に浮いて初めてその威力を発揮するのです。水面の上に浮いていたのでは従来のドライフライと違いが出ない。水面の裏側に浮くように設計しているのだから、フロータントなどの浮かせる処理は全く必要としない。初めて使うときは、フライが水と馴染んで沈むように濡れた指で軽く揉み細部まで水に馴染ませる事が必要です。それでもキャストしたフライが水面に浮いているように見えたら、ラインを少し引っぱって無理矢理沈めてやる事。ドライでは決してやってはいけない行為ですがこのフライでは必要なことなのです。

ひと味違うライズが
水面に浮いている場合マス達は[水面上]に浮いている虫は[いつ飛び立つか判らない]と言う事を知っている。だから彼等は食い付く瞬間に飛び立っても捕まえられるように慌てて飛び付いていく。しかも、見つける位置がその真下。当然真上に向かって食い付き、勢い余って水面に飛び出すことになる。ところが[水面の裏]に浮いて漂っている虫は、決して直ぐには飛び立てない事も知っている。そして、水面直下を回遊しているマスにも容易に発見できる。遠くからそれを見つけているのだから少しのコース変更でスムースに口に入る。一番怖い水面に飛び出さなくていいのだから彼等は全く慌てない。フライに向かって少し向きを変え、僅かに上昇して水面に鼻先を僅かに出して食い付き、ゆっくりと元の泳層に戻っていく。当然ライズはおとなしい物となる。激しい水しぶきを上げることは希で、ほとんど水面が「モワッ〜」と変化するだけだ。

だからライズを見逃さない水中から見ると
この[モワァ〜]と変化した水面の変化がこのフライへのライズの特長なんです。深いところから飛びついてきた場合、その角度が急なため水しぶきがあがることもあるが、垂直に飛び出してくることはほとんど無い。ほとんどのライズはおとなしく優雅なんです。水面上のフライに比べてライズはほんの僅か水面が揺れる程度のことが多いので見逃さないように。[水面の裏]と言っても水中なのだから、遠投した場合フライは見難いです。だから、無理してフライを探すのではなくフライが着水した[タライ]ほどの領域の水面を注目し、水面の変化を見逃さないようにする。従来のドライのような激しい水しぶきを期待していたら、せっかくのライズを見逃すことになる。以前、東山湖で友人にこのフライを使ってもらったら「ライズしないよ」と言うのですが、僅かなライズを見逃していたとしか思えないのです。すぐ隣で私は入れ食いだったのですから(笑)。従来のドライフライの先入観念は捨てて、僅かな水面の変化に注意しよう。

合わせは焦らないで
写真
水面を割り激しく水しぶきを上げてライズすると、釣り人もそれに合わせたように驚き慌てるものです。ところが静かに[モワァ〜]と言う反応なら慌てないでしょう。マス達も水面上の餌の場合、怖々と空中に飛び出して餌かどうか素早く判断して吐き出すらしいですが、水中を漂う餌は移動しながら食い付いてからゆっくり餌かどうか判断しているようです。しかもフライをくわえている時間が水面上の餌より長いのか、ライズを確認してから「ヨッ!」とゆっくり会わせてもフッキング率がいいのです。フライをくわえてからも水平移動なのでラインの弛みが少ないからかもしれないですね。希にライズに気が付かないでいると向こう合わせでフッキングすることもあります。フライをくわえてそのまま前方に移動するからでしょう。とにかく焦らないでゆったり合わせて大丈夫です。

待ってよし、誘ってよし
フッキングしなかったら水面の裏に浮くのを[ドライ]と言うかどうか[ドライの定義]が問題になりそうだが、私は水面にあれば裏でも表でも[ドライ]と考えている。このフライの場合も[ドライ]なのだから、動きを止めてライズを待つのが基本だが、そんなルールは気にしなくていい。キャストしたフライに一番食い付く確率が高いのは、フライの落下直後の数秒間。[水面に何かが落ちた]と言う動きがマスの食い気を誘い「食べられるかな?」と食い付いてくる。食べられないものなら吐き出せばいいのだから。流れのない管理釣り場の場合、落下直後の反応がないまま浮かべて待っていても反応は期待出来ない。彼等はフライが[偽物]と言う事をよく知っているので、動きのないフライは単なるゴミとしか見てくれない事が多いようです。そんな時はフライを少し動かして誘ってみるのがいい。しかし従来のドライの場合、表面張力で水面に浮いているのでフライの位置を変えようと引っ張ると、ティペットに引っ張られて水面下に沈んでしまう。ところがこのフライは自分の浮力で浮いているのだから、水面下に引きずり込まれても直ぐに元の位置に浮いてくる。キャスト直後の反応がなければ「ここに餌がいるぞ」と言う感じで少し引いてアピールしてやると、動きが止まった瞬間にアタックしてくる。表面張力で浮いているドライには出来ない特技です。ライズに合わせてもフッキングしないことはよくあるが、このフライの場合キャストし直さないでその場で次のライズを待つことができる(止まった瞬間に次のマスが・・)。何しろ確実に浮いているのだし、合わせを焦らなくていいから小さく合わせることができる。そのためにも出来るだけ遠投して長距離を誘うようにするといい。待ってよし、誘ってよし。もちろん管理釣り場だけでなく渓流でも効果は抜群。ドラッグさえ気を付ければいい。

引くと違った反応が
しばらく反応がないときはこのパターンの考案以来、色々実釣テストをしていて新しい釣り方を発見した。日中風があって水面が波立ちライズが止まってしまうことが幾度もあったのですが、そんなときにフライをゆっくり引いて誘ってみたのです。引き方はゆっくり、水面のフライが引き波を立てるかどうかギリギリの速度。チョンチョンと引くのではなくゆっくり定速で。すると全くライズのないところでも飛び出して来たのです。ところがこの動いているフライへの反応は、止めて待っているときと全く違うのです。目の前にキャストして観察してみると、水面下から口を目一杯開けて飛びついてきてそのまま水面の上に飛び出すのです。見事なジャンプで中には50cm以上も飛び上がるマスもいました。しかも空中にいる間は口を閉じたままなので、着水してから合わせてもしっかりフッキングしています。フライを動かしているときのライズは本当に強烈です!水面の餌が[逃げるかもしれない]と言う思いで必死に飛び出してくるのでしょう。新しい釣り方の発見に気分がいいです。待ってよし、誘ってよし、そして引いてよし。最高のフライだと自負しています(笑)。是非、お試しを。

引くと違った反応が
そうなんです。水面上にハイフロートで浮いているドライフライと比べると確かに見難いです。10-15ヤードの距離なら確認することが出来るが、20ヤード以上遠くになると大きさと色によっては水面に溶け込んでしまう。そんな時、フライを探してイライラする必要は全くない。キャスト後フライが水面に落下するのは見えるのだから、そのフライが落ちた周辺(洗面器の大きさ位)を見つめていればいい(見失ったらラインを少し引いてフライの引き波で位置を確認する)。そして「ライズは水しぶきのあがる物だ」とか「水面に必ず頭が出る」と言う先入観は捨ててしまおう。水面上でいつ飛び立つか判らない虫に対しては激しく水しぶきを上げて一気に食い付くが、飛び立つ心配のない餌にはマスも落ち着いて食い付いてくる。また、水面に浮いている物が食べられるかどうか調べるとき、マスはゆっくり口を使って[お試しライズ]をする。このフライは水面の裏にあるのだから水面にマスの頭が全く出ないで僅かな揺らめきだけが現れることもある。[お試しライズ]でも[本気ライズ]でも、フライを口に中に入れさせることが出来たら[釣り人の勝ち]なのです。そんな小さな[お試しライズ]も見逃さないように水面の変化を待ち、変化が現れたら「俺のフライだ!」と疑わないでとにかく合わせてみる。合わせは軽くフライがちょっと(50cm-1m)動く程度で。それでヒットしなければそのままの位置で次のライズを待つ。慣れてくると[お試しライズ]と[見切り反応]の違いも判ってくる。とにかく、直接フライを見るのではなく「あの辺りにフライは在る!」と信じて待てばいいです。

勝負は落下直後の5秒間
目の前を順番に探るキャスト直後に反応がなければ少し誘ってみたり引いてみるのもいいですが、勝負はやはり[落下直後の5秒間]。落下したフライの周辺を見ていると、水面下に定位していたマス達はフライやラインの落下に驚いて慌てて逃げて行くが、気付かなかったところから一気に飛びついてくる。ほとんどはこの最初のリアクションバイト的な[突撃]でヒットする。しかし中にはフライを途中で見切り慌ててUターンするのがいる。この慌てたUターンで、周辺に見えていたマスは一斉に移動してしまい反応が途切れる(群れで行動することが多いので、仲間の動きに敏感なのだろう)。そのまま待っていると回遊してくる姿が見えるが、動きの無いフライには興味を示さないことが多い(フライが好みのマッチしてい時に多い)。中には興味を持って近付いてくるが途中で見切ってしまう。そんな時、次の回遊を待つのは時間の無駄。位置を変えてキャストし直す。目の前のキャストエリアを左右に半分に分けて、片側を手前から順に2〜3mの幅で左右を探り、反応がなければ2〜3m沖を順に探る。沖のキャストエリアまで探り終えたら、残っている半分のエリアを手前から順に探る。ラインの落下したところはマスが居なくなっているので次が回遊してくるまで休ませる。また、他の人がキャストした場所もマスは居ないので避ける。出来るだけ広範囲に探り反応してくれるマスを探す。それでも反応がない時は、人のやっていない場所を探して移動する。一日中[5秒キャスト]を繰り返すのは結構きついですがやってみる価値はあると思いますよ。


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