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フライショップで売られている浮材は[太い]、[短い]、[弱い]、[高い]等いくつも問題を抱えている。だからオリジナルフローターを自作しよう。必要な道具は電動ドリルだけ。切り出し用の刃は簡単に作れます。*新色を追加 |
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●切り出し用の刃を作る
■作りたい太さの内径を持ったステンレスパイプを購入する。パイプの肉厚はできるだけ薄い方がいい。例えば外径3.1mm、肉厚0.3mmのパイプなら内径は2.5mm。つまり太さ2.5mmのフローターが作れることになる。パイプの肉厚が厚いと、切り出すときパイプが素材を圧迫して長い物を作ることが難しい。 |
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■パイプに刃を付ける。
まず、パイプを必要な長さにカットする。長すぎると回転の中心が安定しないのでフローターの仕上がりサイズより少し長いくらいで十分。
パイプは外側から研いで先端に刃を付ける。パイプをドリルに取り付け回転させながら研ぐと均一に研げる。内側のカエリ(バリ)を取るために目の細かい紙ヤスリを丸めた物か、ヤスリをパイプの中に入れドリルで回転させながら内側を仕上げる。内側を削りすぎると切り抜いた素材がパイプより太くなり中で回転しにくくねじれるので注意する。 |
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●素材を準備する
フローターの素材に適した物はいろいろあるので好みで選べばいい。私は[EVA* スポンジ]を使っている。色は薄いグレーだが全く問題ない。シートやブロック状の物があるが厚さ1cmくらいの物が適当。これを仕上がりの長さの幅にカットする。
薄いシートを必要な太さにカットしただけでも充分フローターとして使えます。ただ、素材は発泡の泡のできるだけ細かい物を選ぶことが細い物を作るときの重要なポイントです。(素材サンプル A:ライオンボード/B:シロセルスポンジ/C:EVAスポンジ)
* EVA=Ethylene Vinylacetate Copolymer(エチレン・ビニル・アセテート) |
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●ドリルで素材を切り抜く
電動ドリルに刃の付いたパイプをセットし、素材に差し込んで切り抜けば簡単に出来上がる。ただ、切り取った素材をパイプから抜き出すのが少し手間です。パイプの反対側はドリルに止められているのでそこから抜き出すことはできないし、先端もギリギリまで入っていてほんの僅か覗いているだけなので指で摘み出すことは難しい。針を刺して少し引き出してから摘み出しています。
刃が均一に付いていなかったりパイプが曲がってセンターが狂っていると、切り取った素材に螺旋状の筋が付く事があるので、仕上がりを確認して刃を調整したりパイプの曲がりを矯正して下さい。
細い物(2mm以下)はドリルが高速回転だと上手く切り抜けないのでドリルは回転数が変えられる物がいいようです。 |
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●太さにも細かいバリエーションを
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推奨フローターサイズ |
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フック |
フローター |
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#6-#9 |
φ4.0-6.0mm |
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#10-#11 |
φ3.5-4.0mm |
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#12-#13 |
φ3.0-3.5mm |
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#14-#16 |
φ2.5-2.8mm |
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#17-#18 |
φ2.2-2.5mm |
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#19-#20 |
φ1.8-2.0mm |
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パターンによって少し変わりますが |
フローターを切り抜くステンレスパイプ、今までは内径0.5mm間隔のパイプで切り出していたが0.5mm間隔ではあまりに差が大きく「2.5mmでは細くて浮力が足りないけれど3.0mmではちょっと太すぎる」と感じる事が幾度もあった。
そこでまたまたネットサーフィン。見つけました。2.0mmから3.0mmまでの中間の太さの2.2mmと2.3mm、2.7mmと2.8mm。以前ミッヂを作る時に探した1.5mm、1.7mm、1.8mm。ペレットフライ用の8.0mmとホッパー用の6.0mm。半分にカットする治具も各サイズ用を作ったので、色んなパターンに展開できる。フックとフローターの目安になる対応表を作ってみました。こんな感じの組み合わせが浮力を最大限に生かした使い方だと思います。フライのパターンやフックの重さでフローターの太さを変えた方がいい事もあります。特に大きめのテレストリアルには太めがいい。ご参考までに。 |
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●こんなパターンも作ってみました
新作の[Rubber Leg]用に新しいフローターを作りました。EVAスポンジは白と黒以外にもいくつかの色が在るのですが、単色で試してみても今一ピンと来なかった。そこで考えたのが2色使いの新パターン。釣り人からは明るい色で見易く水中からはボディとマッチングした色になる組み合わせを試みた。 |
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●3mmを半分に切る?!
まず難しかったのがフローターを縦に二等分にすること!フックの太さと大きさから今回は3.0mmと3.5mmのフローターを選んだが、この太さをどうやって半分にするか。ハサミだとどうやっても真っ直ぐには切れない!何かに挟んでも柔らかいから潰れて上手く切れない。定規で押さえようとしても幅が狭くて押さえられない。色々悩んでやっと上手く切れる冶具を考案しました。こんなに悩んだのを簡単に公開するのも悔しいのでしばらくは未公開です。皆さんもしばらく悩んで下さい。 |
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●張り合わせも大変だった
半分に切ることは何とか出来たがこれを張り合わせるのも大変でした。初めに試したのは瞬間接着剤。接着力はしっかりしているのだけれど直ぐに固まってしまうので二枚が僅かにズレても微調整が出来ない。しかも仕上がりがゴワゴワして柔らかくない!次に試したのは[Shock-pan]用に使っているセメダイン[スーパーX2(クリア)]でした。これは良かった。仕上がりも柔らかく固まるまでに少し時間があるので2枚の微妙な位置のズレが調整出来る。しかしここでまた問題が発生。[X2]は5分位で固まる速乾性なので4本目になると絞り出して置いた[X2]の表面が堅くなっている。無理矢理擦り付けたら接着にムラが出来た。新規に購入して試したのが[X]でこれは堅くなるまで20分の余裕があるので8本くらい片面に擦り付けて置いて一気に接着することが出来た。 |
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●色も変えてしまった(笑)
手元に在ったEVAスポンジは、[Red]/[Orange]/[Yellow]/[Blue]/[White]/[Black]の6色でいくつかの組み合わせを考えていたが、[Bule]はフライには向いてないので何とか別の色にならないか試みた。油性マーカーの黄色を塗ってみたら見事に[Green]に変身してくれた。いい色だと一人で納得しています。ただ、切り口は元の[Blue]が見えてしまうのですが魚には影響ないので我慢することにした。勿論色付けは半分にカットする前に済ませておかないと後から塗ると白の方にはみ出すので難しいです(笑) |
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●新色を見つけてバリエーションが増えた
出来上がったパターンで試し釣りをした結果、効果的だったのは[Orange] / [Green] / [Black]の3色。[White]と[Red]は時間帯によって反応にばらつきがあった。試し釣りの後でハンズをうろついていて見つけたのが[Tan]と[Dark Brown]。今まで欲しくてなかなか見つからなかった色なので嬉しかったです。その後新色マテリアル[Pink / Olive / Dark-Olive / Camel / Chartreuse / Dark-Green]を見つけだし新しい組み合わせを作ってみた。自然色に近いマテリアルなのでパターンも自然な色合いが多くなった。この色の組み合わせなら渓流でも違和感なく使えるのではないだろうか。 |
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●[レッグ(足)]も同色を探し出して
フローターの色に合わせた[レッグ(足)]探しも大変でした。フライショップで売られている[レッグ]用のラバーは太いのばかりで種類も少ない。チェルノブイリアント等の大型フライなら太くてもいいのだろうが。また需要が少ないのか色数も揃っていなかった。色んな売場を覗いて細くてカラーバリエーションの揃っているものをやっと見つけ出した。なんとブラックバスのラバージグ用スカートです。OFTの[スプリットラバーラウンドスーパーファイン]!これは素晴らしい。細くて色数も多い。 |
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