フライで鯉を釣る
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コイ以外に-2
コイ以外にフライで何が釣れるのか
いろんな物が釣れる
あえて[]と書いたのは意味がある。また釣れるといっても、狙って釣った物、偶然に釣れた物。釣れてがっかりした物、逆に釣れて驚いた物など多摩川にもいろんな生き物がいる。今までコイ釣りに行って釣れたを紹介する。

待望の一尾
マルタウグイ-12003年5月11日。また新しい外道を釣った。
釣りたくて釣りたくて、今までどうしても釣れなかった獲物が、やっと釣れた。
ちょうど直前にコイを一尾釣っていて、少し下流でライズしているのを見つけたのでゆっくり下りながら下流へフライを流したのです。フライがポイントに到着すると同時に水飛沫をあげるライズが。コイも時々水飛沫をあげて食い付いてくるのでこんな魚だとは全く想像できませんでした。しかも上流からフライを流して掛けたのでマルタウグイ-2、そのままこちらに向かって来てしまいその引きを楽しむことも出来ませんでした。30mほど出たラインを手繰ることに一生懸命で、目の前数メートルのところでやっと落ち着いたのでラインを巻き取り、ネットを出して取り込み体勢に入って初めてマルタと言うことが判ったのです。「やった〜、マルタだ!やっと釣れた!」この興奮は草魚以来ですね(笑)。川原で一人ニヤニヤしてしまいました。
体長51cmの婚姻色も消えた銀ピカの魚体で、強烈な引きでグイグイと・・と言いたいところなのですが、何ともあっけなく釣れてしまったのです。下流に走ってくれたらもっと楽しめたのに、等と文句を言っちゃいけない。やっと釣れたのですから。毎年、産卵の姿を眺めながら「釣りたい!釣りたい!」と思い続けていた願いがやっと叶ったのです。

釣れることを確認
ナマズ-12002年5月4日。また新しい外道を釣った。ちょうど1年前の5月2日にもナマズは釣っているのですが、確実にフライに食い付いてきたのかどうか、その時は全く自信がありませんでした。つまり、フライが水面から消えたのでティペットに引っ掛かってフッキングしたのではないかと疑っていたのです。ところが今回ちゃんとフライへ反応してくれたので食い付いてきたことが確認できました。その前にも水面に上がってきて水面の餌を真下からくわえて行くところを見ていたから確信が持てます。フライも単純に水中に消えたのではなく小さいながらも下からつつかれた波紋を残して消えました。コイにしては変な食い方で、フナがよくやる食べ方でした。しかし引きはフナと違って力強くコイ並のパワーでしたが、力強く走り回るのではなく、同じ所でクネクネともがいていている感じでした。水中に姿が見えたときその変な引き方に納得がいきました。直前にはもっと巨大なナマズがフッキングしたフナを追いかけてきたのを見ているのでナマズが数尾はいるはずです。ちなみにこのナマズは57cm。直前の奴はおそらく80cm以上あり、水面に飛び出してきたのは40cmクラスでした。
とにかく、多摩川はまだまだ面白い。

予想通り釣れた新顔
ニジマス-12002年3月10日。[多摩川でニジマスが釣れる]と言う噂を聞いていました。もちろん、関戸橋のマス釣り場じゃないですよ。その噂を確かめに行きました。ポイントは[C-4]で現場に着くと確かにコイとは違うライズがいくつも。秋口になるとアユが同様にライズをするのですが、それよりも大きい魚のライズでした。とりあえずコイを1尾釣らないとオデコになるので記録のためにライズを横目にコイフライを下流に流しました。ところがコイはなかなか反応せず、やっとフライに反応しフッキングしたのですがなんだかおかしい。軽いんです。「フナ?」と思いながらラインを手繰ると、ジャンプしたんです。そうです、ニジマスなんです。「やった!」と同時に「なんだ!」と少し落胆。ニジマスかどうかの確認はコイが1尾釣れたらゆっくりやろうを思っていたのにコイより先にコイのフライに食い付いてきたんです。
ニジマス-2関戸橋に放流されたニジマスが1月27日の増水でかなりの数が下流に流されたのは以前お知らせしました。そのマス達はすぐ下流の大丸堰堤で止まると思っていたのですが、堰堤の下まで流されたようです。現場で確認したところ堰堤はゲートが下がっていて勢いよく流れていました。しかも1月の増水時、堰堤下では2mも水位が上がったことを河原に残ったゴミの跡が示していました。それほど増水したのならマスが堰堤の溜まりに止まれるはずがないと納得。下流に流されたマス達はやっとここまでたどり着いたのでしょう。しかし堰堤の魚道は水位が低く全く機能していません。で、このポイントに集まっているようです。
それともう一つ喜んでいることがあります。このポイント[C-4]は以前にもお知らせしたように定水温の水が流れ込んでいるのです[河原にクーラーの風?(2000/9/2)]。この冷たい水がマス達に何を与えてくれるか想像出来ますか?真夏には30度にもなる多摩川の水がここだけ冷たい。きっとマス達は夏を乗り切ってよりたくましくなって・・・。楽しみです。
そこでお願いが一つ。数少ない貴重な資源なので優しく扱って下さいね。

小さいくせに食い気充分
ウグイ2001年8月13日。新たな獲物が釣れました。なんとウグイです。サイズはわずか16cm。夏休みを利用して多摩川全域の調査中のことで、上流部から順にポイントを巡り、短時間でコイの反応を探りながらの釣行中でした。コイの反応を探るために流したパンのかけらに、オイカワとは違う少し大きめのライズが無数に。様子を見るために送り込んだフライに見事なライズ。ライズは見事だったのですが、それから後は「?」です(笑)。「何だこれは?」今まで釣り上げた中にはこんな小型はいなかった。水面を滑るように寄ってくる。手元でじっくり眺めると、コイ用のフライを口イッパイにほおばっているウグイではないですか。この口でよくこんな大きいフライをくわえたものだと、驚きました。キャストしたフライがうまく口に入ったのでしょう。下流部だともっと小型のオイカワが多く、水面に波紋を残すだけに終わってしまうのですが、このサイズのウグイならフライに食い付くこともできるのですね。場所はPoint[A-4]の多摩大橋の下流。フライをウグイ用にすれば入れ食いでしょう(笑)。多摩川下りは面白い。

また、新顔が釣れた
二ゴイ-11999年5月30日。また新しい外道を釣った。フライに食いついたときは、普段のコイと全く変わらない出方をした。ネットに取り込んでもまだコイだと思っていた。針を外そうと顔を覗き込んだ時、初めてコイと違うことに気が付いた。たまに釣れる痩せた雄のコイよりまだ細い。細いだけでなく顔つきが違う。丸でキツネ顔。鼻先がやたらに突き出している。二ゴイ-2
口はコイよりももっと下を向いている。ヒゲはあるが一対だけ。背鰭もコイほど後ろまでは生えていない。胸鰭と腹鰭の前縁は白くなっている。触った感じはコイと同じで粘膜に覆われていた。
ちょうどデジカメ持参だったので、帰宅後直ぐ図鑑で確認が出来た。川原で「もしかすると‥‥」と思っていたのがその通りで[ニゴイ]と判明。図鑑でしか見たことのない魚を、また釣ってしまった。多摩川にニゴイが居る事を知らなかったので大変驚いている。サイズは54cm。ニゴイとしては大型になるらしい。雑食性だが口の形から底餌をメインにしているらしいが、どうしてドライフライに食いついたのかは解らない。
とにかく、多摩川はまだまだ面白い。

一番釣れるヤツ
ヘラブナ-1コイ以外で一番釣れるのは、コイと同じコイ科の鮒。真ブナとヘラブナで、始めて鮒を釣った頃は、コイと同じ出方をするので掛かるまで解らなかったが、ヘラブナ-2最近区別できるようになってきた。鮒はコイほど口が大きくないので水面に口を出して一気にフライを吸い込む事はしないで、フライの真下から頭を出さないで吸い込むので合わせが難しい。コイほど派手な動きがないので合わせにくい。また、掛かってからは引きが弱いのですぐ寄ってくる。しかし、ヘラ師にすればうらやましくなるような大物ばかり。コイが40cm以下の小型が釣れないように、鮒も30cm以下のヤツは釣れない。真ブナの最大はコイより大きい45cmでヘラブナは41cm(右)。

アカミミガメ-2暇つぶしのかわいいヤツ
アカミミガメ-1流れの緩いワンドなどで2cmから3cm位の三角の頭を水面に出して餌を探している。縁日などで売っているミドリガメ。正式にはアカミミガメで、家庭で大きくなって飼えなくなって多摩川に放された物だと思うが、結構たくさんいる。日本に昔からいるイシガメやクサガメはまだ会ったことがない。亀が水面に浮いているのを見つけたら、亀の前方50cmから1mのところに脅さないようにフライを落としてやる。フライを見つけると水中に潜りフライの側に浮き上がり、おもむろに食いつく。コイのように餌を食ってから潜ったりしないので口にフライが入ったと思ったら合わせる。なかなか針がかりしないところがおもしろい。コイが見えないときの暇つぶしにちょうど良い。

見つけると狙いたくなるゲテモノ
ライギョ-1そいつを見つけたのは、テトラの横。後日他の釣り人に釣り上げられたので判ったのだが、70cmもある雷魚。テトラの側でじっとしているのを見つけたので、目の前にフライを落としチョンチョンと誘ったら、そいつでなくその側にいた小さいヤツが飛び出して食いついた。まさか釣れると思っていなかったので少し慌てたが難なく取り込んだ。しかし歯が鋭くフライをはずすのをためらっていると、自分でフライをはずしてので一安心。あの歯で食いつかれたらさぞ痛いだろうな、と思うような鋭い歯が内側に向いて生えていた。写真(左)で確認したが、カムルチーで台湾ドジョウではなかった。サイズは45cm。

突然釣れた驚異の一尾
ソウギョ-1-1いつものように多摩川で40yd先のコイを狙っていたら、ヤツは掛かった。コイも時々あるが、向こうあわせでフライを一気に持っていく。流れが結構あったが、スンナリ寄ってきた。いつものコイのつもりで気楽に引いていたが、5m先の水面に浮いた姿を見てうれしくなった。いつもの大きさではなく大きい。
80cm位はありそうだ。これをバラしたら仲間に何を言われるか判らない。今までになく慎重に無理をせずティペットの細さ(1.2号)と手網の小ささを恨みながら岸に抱き上げ丘に走った。側にいたヘラ師が「なんて魚だ?」と聞くので[当然コイだろー!]と心の中で叫んだが、フライをはずすためにその顔をのぞき込んで驚いた。なんとヒゲがない、コイのあのヒゲがない。それじゃ何だ!この大魚は。近くソウギョ-1-2にいたヘラ師の仲間が叫んだ。「草魚じゃねーか?」[草魚?これが?]とつぶやきいつものようにメジャーを取り出した。「97cm!」と告げると「97cm!」ヘラ師と2人で叫んだ。服が魚臭くなるのもかまわず、抱き上げ写真を撮ってもらった。これが序曲だったとは思わず。
1997年3月9日のことだった。

二匹目の草魚
ソウギョ-2-1[二匹目のドジョウ]と言われるが、実に二匹目の草魚なのだ。先日の獲物に味を絞めたわけではないが、12日後の祭日に同じポイントに釣友の毛利さんと出かけた。先日の草魚は[偶然で、あんなのが二度と掛かるはずはない]そう自分に言い聞かせながら、同じポイントを眺めていると水面に三角の頭を出して餌を食っているヤツがいる。コイの頭は丸いので、まさかアイツかな?と少し期待しながらフライを流した。前回よりフライが遠くに流れた時、今度はフライをくわえて水面にジャンプした。「来たよー!!草魚だー!!同じヤツだよ!!」毛利さんに向かって叫びながら駆ソウギョ-2-2け引きが始まった。今回は前回にくらべ、元気が良い。何度もジャンプを繰り返し、対岸のヘラ師達を驚かしている。二度目だから余裕は有ったがティペットは同じ1.2号。半分心配しながら毛利さんに「ネ!水の中だとそんなに大きくないでしょう」等と言いながら、慎重にやり取りを続けやっと手網に納めた。「やったー!こいつ二度目だよ。ネッ!ホラッ97cm‥‥」と言いながらメジャーを伸ばしたら、「エ!違う!この前のじゃない!107cm!やったー!メーターオーバー!二匹も居たんだ」また服の臭いを気にしながらの記念撮影。こんなヤツが居る多摩川に感謝。1997/June "Angling"より要約

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